【ガソリンスタンド防犯カメラの基礎知識】消防法や保存期間、設置場所を解説


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2025.10.22

コラム

【ガソリンスタンド防犯カメラの基礎知識】消防法や保存期間、設置場所を解説


ガソリンスタンドは、火気を扱う特性上、わずかな不注意が大きな事故につながる高リスクな現場です。

さらに、夜間営業やセルフ式の増加により、スタッフが常に全エリアを監視することが難しくなっています。

そうした中で、防犯カメラは「防犯」だけでなく、「安全確認」や「業務の見守り・管理」を支える欠かせない設備として注目されています。

一方で、ガソリンスタンドでは消防法による制限や危険物取扱所の基準が関係するため、一般的な店舗やオフィスとは異なる配慮が必要です。
カメラの設置位置を誤ると、火災リスクや法令違反につながるおそれもあります。

本記事では、ガソリンスタンドにおける防犯カメラの設置ルール・消防法への対応・保存期間や管理方法までを、わかりやすく解説します。

ガソリンスタンドに防犯カメラが必要な理由
セルフガソリンスタンドにおける監視の仕組み
消防法と防犯カメラ設置の関係
効果的なカメラ設置場所と運用ポイント
映像の保存期間と管理ルール
防犯カメラ導入時のコストと補助金
まとめ

ガソリンスタンドに防犯カメラが必要な理由

近年、セルフ式ガソリンスタンドの普及により、現場では人の目による監視だけではカバーしきれない場面が増えています。

特に深夜や早朝の無人時間帯、給油中の接触事故、支払いトラブルなど、さまざまなリスクが日常的に発生する可能性があります。

こうした環境で求められるのが「防犯カメラによる客観的な記録と監視」です。

また、ガソリンスタンドでは、防犯カメラが防犯のためだけでなく、安全管理やトラブル防止のための重要な設備としても機能しています。

ガソリンスタンド特有のリスク

ガソリンスタンドは、他の店舗にはない「危険物を扱う環境」です。
火気厳禁の場所であるにもかかわらず、車両の出入りが頻繁で、給油ノズルの取り扱いや静電気による引火のリスクも常にあります。

さらに、夜間営業やセルフスタンドの増加により、スタッフの目が届かない時間帯や死角が生まれやすくなっています。
また、給油中の車両接触事故、料金トラブル、レジ周辺での現金管理など、日常業務の中にも「映像で確認できること」が多く存在します。

このようなトラブルを未然に防ぎ、発生後も的確に対応するためには、防犯カメラによる記録が欠かせません。

防犯カメラが果たす役割

ガソリンスタンドの防犯カメラは、単に「監視」するだけでなく、安全管理と業務効率化の両面で大きな役割を果たします。

たとえば、給油機付近の映像を常に確認できることで、走り去り・誤給油などの異常な動きをすぐに検知できます。
レジ前や出入口の映像は強盗やいたずら防止にも有効です。

また、映像記録を残しておくことで、トラブル発生時には客観的な証拠として活用することも可能です。
最近ではAI解析機能を活用して、不審な行動や危険行為を自動で通知するシステムも増えています。

セルフガソリンスタンドにおける監視の仕組み

セルフ式ガソリンスタンドでは、利用者が自ら給油を行うため、従来の有人スタンドとは異なる「監視体制」が義務づけられています。

ただ防犯目的でカメラを設置するだけではなく、安全確認や緊急時の対応を遠隔で行うための監視システムが求められるのが特徴です。

セルフガゾリンスタンドにおける監視義務とは?

セルフスタンドでは、「消防法」および「危険物の規制に関する政令」により、監視設備の設置と監視員の配置が義務づけられています。
これは、利用者が安全に給油できるよう、火気・漏油・誤給油などの危険を即座に把握し、必要に応じて給油を停止できるようにするためです。

監視員はカメラモニターを通じて常時現場の様子を確認し、異常があれば音声や緊急停止ボタンで対応します。
こうした仕組みにより、無人の時間帯でも安全が保たれています。

監視員の配置とカメラの連動例

事務所内には複数のモニターが設置され、給油機、出入口、精算機周辺などの映像を同時に確認できるようになっています。

監視員はこれらの映像を見ながら、異常な動きや危険行為を検知した場合に即座に対応します。
現場レベルでの監視と制御の連動が、セルフスタンドの安全を支えているのです。

また、近年はアラート通知や音声通話機能を組み合わせ、監視員の負担を軽減しつつ利用者の安全行動を促す体制も整いつつあります。
防犯カメラで「見張る」だけでなく、「声かけによる安全サポート」へと役割が広がっている点が特徴です。

遠隔監視システムの導入とその効果

1つの店舗だけでなく、遠隔監視システムで複数店舗を一括で管理できる「集中監視方式」も近年普及しています。

集中監視方式では、1か所の監視センターで複数店舗の映像をリアルタイムに監視し、異常発生時には音声や遠隔制御で即座に対応します。

人員コストを抑えながら、24時間体制の安全管理を実現できる点が大きなメリットです。

さらに、AIやクラウド技術を活用した遠隔監視システムが進化し、転倒・喫煙・長時間滞在などの危険行動を自動検知することも可能になっています。
クラウド録画を利用すれば、映像の保存・共有・再生も簡単で、複数拠点を一元管理する仕組みとして効果的です。

このように、最新の監視システムを導入することで、セルフスタンドでも安全性と効率性を両立する運用が現実的になっています。

消防法と防犯カメラ設置の関係

ガソリンスタンドに防犯カメラを設置する際には、一般の店舗やオフィスとは異なり、消防法による制限や危険物施設としての安全基準を守る必要があります。

カメラ自体が発熱や火花の原因となる可能性があるため、設置場所や機器の仕様を誤ると法令違反や火災リスクにつながりかねません。

ここでは、ガソリンスタンドにおけるカメラ設置時の消防法上の注意点や、工事前に確認すべき行政手続きについて整理して解説します。

カメラ設置における消防法上の注意点

ガソリンスタンドは「危険物取扱所」に該当し、消防法第10条および関連する省令によって厳格に管理されています。

特に、電気機器や配線を設置する際には「防爆構造」が求められるケースがあります。

防爆構造とは、カメラや照明器具などが火花や高温を発しないように設計された機器のことで、ガソリン蒸気などの引火性ガスが存在しても安全に使用できる仕様です。
一般的な屋外カメラをそのまま給油機の近くに設置することは危険であり、防爆対応カメラを選定することが必要です。

また、配線や電源ボックスも火気から一定距離を保つよう設計する必要があり、特に「危険物取扱所内」では防水・防塵に加え、耐圧防爆ケーブルを使用するのが望ましいとされています。

危険物取扱所で使用できる機器の基準

危険物取扱所では、使用できる電気機器の基準が細かく定められています。

防犯カメラを設置する場合は、消防設備士や電気工事士など、専門資格を持つ業者に依頼し、「型式適合品(防爆認証取得済み)」であるかを必ず確認することが重要です。

また、地域によっては消防署や自治体が独自の設置基準や申請書類を求める場合もあるため、施工前に管轄の消防署へ事前相談を行うのが安全です。

特に、既存の給油設備の周辺に新たにカメラを追加する場合は、改修扱いとなることもあるため注意しましょう。

設置工事前に確認すべき行政手続き

ガソリンスタンドでのカメラ設置や設備改修を行う際は、次の手続きが発生する場合があります。

  • 消防署への工事計画届出書の提出
  • 危険物施設の変更届出(配置や電気設備を変更する場合)
  • 防爆機器の製品認証書類の添付

手続きを怠ると、消防検査での指摘や稼働停止命令を受ける可能性があります。

そのため、設置前には施工業者とともに法令遵守チェックリストを確認し、書類・図面を整備しておくことが重要です。

効果的なカメラ設置場所と運用ポイント

ガソリンスタンドに防犯カメラを設置する際、最も重要なのは「どこを、どの角度から撮るか」です。

せっかく高性能なカメラを導入しても、死角が多かったり、夜間に映像が暗すぎたりすれば、トラブル時に役立たないケースもあります。

給油機まわり・レジ前・出入口などの最適位置

防犯カメラの基本は、「トラブルの発生しやすい場所」と「人と車が交わる場所」をしっかりカバーすることです。

給油機まわり

誤給油、無断給油、転倒事故などが発生しやすいエリア。

給油ノズルや計量器全体が映るよう、上方斜めからの撮影が理想です。


出入口・精算機付近
車両のナンバー、顔、支払いの様子が確認できる角度で設置。

出入口にはナンバープレート認識対応のカメラを導入すると効果的です。


レジ前・事務所内

現金のやり取りや接客のトラブルに備えて、人物を中心に映す構図が望まれます。
これらのカメラ映像を組み合わせることで、施設全体の動線をカバーしつつ死角を減らす配置が可能になります。

夜間や雨天時でも映像を確保するコツ

ガソリンスタンドは屋外施設のため、夜間の照明や天候の影響を強く受けます。

暗所に強い「赤外線カメラ」や、照明のまぶしさを抑える「ワイドダイナミックレンジ」搭載モデルを選ぶと、夜間でも鮮明な映像が得られます。

また、レンズやハウジングに水滴が付着すると映像がぼやけるため、防水規格IP66以上の屋外対応カメラを推奨します。

風雨による振動や映像の揺れを防ぐため、ポールや壁面への固定も重要です。

プライバシーに配慮した撮影範囲設定

防犯カメラの映像は防犯目的に限定して使用する必要があり、プライバシーを侵害しないよう注意が求められます。

給油所周辺では、利用客の顔や車内の様子を過度に映さないよう、撮影範囲を適切に設定しましょう。

最近では、撮影範囲の一部をマスキング処理(ぼかし)できる機能を備えた機種もあり、従業員の休憩所やトイレ入口など、映すべきでないエリアをあらかじめ除外できます。

また、監視カメラが設置されていることを利用客に明示するために、「防犯カメラ作動中」などの案内ステッカーを掲示することも信頼性を高めるポイントです。

防犯カメラ運用時のチェックポイント

  • 定期的に映像の明るさ・角度・録画状態を確認する
  • レンズの汚れや蜘蛛の巣を除去する
  • 外構工事や看板設置後は死角ができていないか再確認
  • 不具合が発生した際は、録画データを上書き前にバックアップ

カメラを「設置して終わり」にせず、定期点検を習慣化することで、トラブル時にも確実に証拠を残せる信頼性の高い監視体制を維持できます。

映像の保存期間と管理ルール

防犯カメラを導入する際に見落とされがちなのが「映像の保存期間」と「管理ルール」です。

ガソリンスタンドでは、事故・給油トラブル・防犯上の確認など、映像を見返す機会が多いため、どのくらい保存すべきか、誰がどのように管理するかを明確にしておくことが重要です。

法令や業界ガイドラインによる保存期間の目安

防犯カメラ映像の保存期間には、明確な統一規定はありませんが、業界の実務として次のような目安があります。

用途・目的 推奨保存期間 備考
防犯・防災(犯罪・不正給油など) 30日〜90日 トラブル発生時に遡れる期間を確保
安全監視(事故・転倒など) 7日〜30日 現場確認・報告用として短期保存が一般的
会計・管理(売上・現金トラブル) 1〜3か月 決済機器連携時は延長するケースも

また、クラウド録画システムを利用すれば、保存期間を柔軟に延長でき、容量を気にせず運用できます。

トラブル対応に役立つ保存・バックアップ方法

録画データは「一度上書きされると復元できない」ため、定期的なバックアップが欠かせません。

トラブル発生時は、該当時間の前後15分程度も含めてコピー保存しておくと、経緯を正確に確認できます。

また、録画機やクラウドにアクセス権限を設定し、閲覧や削除できる人を限定するようにしましょう。

防犯カメラ導入時のコストと補助金

ガソリンスタンドで防犯カメラを導入する際の費用は、機器性能と設置環境によって大きく変わります。

特に給油所内では消防法に対応した防爆仕様カメラが必要になるため、一般的な防犯カメラよりコストが高めになります。
導入時には、「どこに・何の目的で設置するか」を明確にすることがコスト削減のポイントです。

トラブルが起きやすい給油機まわりや出入口に絞って設置すれば、限られた予算でも十分な効果を発揮できます。

また、クラウド録画を採用すれば、機器の設置数を減らしつつデータを安全に保存でき、遠隔管理にも対応できます。

各自治体では防犯設備設置に対する補助金制度が用意されている場合があります。

多くは設置費用の1/2、上限10〜30万円程度を補助するもので、商工会議所や市区町村の公募情報を確認しておくとよいでしょう。

申請には見積書や施工前の申請が必要なケースが多いため、導入を検討する段階で早めに自治体に相談すると良いでしょう。

まとめ

ガソリンスタンドにおける防犯カメラは、事故防止と不正対策の両面で欠かせない設備です。

特にセルフスタンドでは、常時人の目が届かない分、カメラが安全確保の要となります。

ただし消防法の対象施設であるため、防爆仕様の機器選定や設置位置など、法令に沿った設計が必要になります。
映像の保存期間や閲覧ルールを明確にし、プライバシーを守る管理体制を整えることで、信頼性の高い運用が実現します。



ガソリンスタンドでは防犯カメラを「監視機器」ではなく「安心を守る仕組み」として、長く機能させていくことが大切になります。

キャトルプランでは、お客様の様々な問題に対して、最適な提案をいたします。
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